二荒山神社
ここで出会った男性が私に言った。
「3月に妻を乳癌で亡くしてね」
「助からないのを看るってのは辛いよ」
「最期、メシ食えなくなったらね、」
「お父さん、もういいよ、ありがとうって言ったんだ」
「察したんだろうなぁ」
どうしても
ある情報を
その人に
どうしても直接渡したくて
京都に行ってきた。
中身が何かなんて聞きもせず
「あなたが持ってくる話なら」と
話す前から全て信じてくれてた。
直接会うのは初めてだった。
会う前から
私のことを分かってくれてた。
夢はいつか叶うって
いつか誰かが言っていたっけ。
走れ走れ
希望の淵を。
青
久しぶりに青い空を見た気がする。
生まれてから一度も目が見えたことが無い人に
この色を伝えるとしたら
一体ボクはどんな言葉を使ったらいいのだろう。
あったはずの風景
今はもう無い