宗教
幼い頃、婆ちゃんは毎日仏壇にごはんを備えていた。
ような気がしたけど
よく思い出してみると
カビが生えたごはんが何日も置いてあった。
今思えば、毎日ごはんを炊ける暮らしではなかった。
それでも数珠を手に毎日拝んでから
柄の取れた包丁で、私に朝粥を作ってくれた。
それなりに熱心な創価学会の信者だったのだと思う。
婆ちゃんが死んで30年。
その数珠は、一人暮らしを始めた私の部屋の一等地に鎮座している。
私は無宗教。
自分が宗教だと思っている。
私の中にある神様だけが私の神様。
婆ちゃんが祈った神様も
どこかの国の神様も
その土地だけの神様も
私には全部神様。
私は遠くから色んな神様を見るのが好き。
あの人の神様、この人の神様。
色々あって、美しい。